福田春美さんの人生の転機：家族との別れと新たな道への出発

福田春美さんは、フードカルチャー誌「RiCE」で連載を持ち、そのライフスタイルが多くの人々を魅了しています。しかし、彼女が現在の職業であるブランディングディレクターにたどり着くまでには、特別な経験がありました。それは、身近な人の最期に寄り添うという貴重な時間でした。

幼少期から30代までは生きることに苦労していたと福田さんは振り返ります。多動症の傾向があり、文字を理解するのが難しく、他の人が当たり前にできることができない自分だったのです。自分の好きなこと以外には興味が持てず、人との関わりも難しく、多くの苦しい時期を過ごしました。思春期から20代にかけては他の人には気づかれないように振る舞っていたつもりでも、実際には周囲にはその違和感が漏れていたのです。恥や過ちもありましたが、それを認めることができず、自分自身を責める日々もありました。

30代まではファッションディレクターとして働いていた福田さんは、その特異な世界に身を置いていました。当時の自分が映画『プラダを着た悪魔』に登場するような感覚であるほど、その世界に溶け込んでいたのです。当時の彼女の存在は、まるでハイヒールの音がヒステリックだと言われるようなものでした。